EP3. いざ、面接
目星を付けた会社何社かにスッカスカの履歴書と共に応募。
よく覚えていないが、なぜか楽器が得意なことを全面に押し出した内容だったと思う。
就活なんてしたことなかったにしてもひどい内容だ。
そんなひどい履歴書にもかかわらず、そのうちの1社から「ぜひお会いしたい」との返信が。
当時金髪バンドマンだった私は髪を黒く染め、髭を剃り、冠婚葬祭用に買ってあったスーツを引っ張り出してきて何とか面接ができる格好となった。
面接当日
その会社は雑居ビルの一室にあった。
事務所という表現がしっくりくるそのオフィスは社長席を含めて4席と来客用の2席がギリギリの非常に狭いものだった。
どうやら社長が脱サラをして始めたばかりの会社のようで、これから社員を増やしていくとのこと。
ひととおり履歴書の説明を終え、(とはいえ説明するような中身なんてほとんどなかったのだが)
「わかりました。ではxx月から来てください。」
「現場に出られるようになるまで研修を行います。研修中の給料はありません。」
(現場ってなんだ?研修ってどれくらいあるんだ?)
色々わからないこともあったが、せっかく未経験で採用してくれると言ってくれているのに、アレコレ聞いて相手の期限を損ねた挙げ句に落とされるみたいなことになったらたまらない。
また、IT業界のことを何も知らなかった私はそういうものかと納得することにし、面接は終了した。
続く…
ITエンジニアの転職の面接時に気をつけておきたいこと
転職4回(5社)、そのうちの3社で面接官を担当した筆者が、中途採用の面接において気をつけておきたいと思ったことをまとめました。
未経験者の方にも役立つと思うのでぜひ参考にしてみてください。
TL;DR
- 技術力のみならず、技術で会社に貢献できることをアピールしよう。
- GitHubや技術ブログなどで自分の強みをアピールしよう。
- IT業界の構造を知っておこう。
派遣・常駐エンジニアの面談とは見られる部分が違う
派遣・常駐エンジニアを長くやっている方は面談(面接と言うといろいろややこしいことになります)に慣れていらっしゃる方も多いと思います。
ただ、派遣・常駐エンジニアの面談と採用面接では企業から見られる部分がかなり違います。
派遣・常駐エンジニアの場合
- 今行っている、もしくは直近行う業務の経験、技術があるか
- 単価が能力に見合っているか
- コミュ力が最低限あるか
など、良くも悪くも即戦力として動けるかどうかが重要となってきます。
正社員エンジニアの場合
- 会社が将来行っていく業務に対しての適正があるか
- 成長性、成長意欲があるか
- 会社の文化に合うか
といったように長い目で見てその企業にとって貢献できるかが見られることが多いです。
また、
など、エンジニアリングの能力だけではなく強みを持っているかどうかも重視される傾向があります。
自身の技術力がどのようにその会社に貢献できるかをしっかりと考えてから面接に望むようにしましょう。
面接官と応募者は対等ではない(ことが多い)
ITエンジニアの転職に限らない話ですが、あくまで(建前上は)企業と応募者は対等であるとされています。
この"建前上は"と言うのが結構重要です。
たまに転職指南のサイトで「企業と応募者は対等なのだから、へりくだる必要はない」というようなことが書いてありますが、現実問題としては
応募者 = その企業に入りたい
企業 = "応募者が良い人材であれば"入ってもらいたい
というケースが多いと思います。
その場合は"少し"へりくだったくらいの感じが良いと思います。
ただし、へりくだりすぎていたり媚びたりするのはNGです。
その他、準備しておきたいこと
GitHubにソースを上げておく
エンジニアの実力を測るにはコードを見るのが一番です。
自分の書いたコードをGitHubに上げて、職務経歴書の「その他」欄にでもURLを貼っておきましょう。
当然、業務で書いたコードを上げてはいけません。
プログラミングのテストがある企業もありますが、殆どが制限時間内に回答するものなので「この人がどういう仕事をするか」までは見れません。
- テストコードをしっかり書いているか?
- きちんとした設計ができているか?
- コミットコメントはしっかり書いているか?
など、口頭でアピールするより確実に伝わるのでおすすめです。
技術ブログを書く
GitHubにソースを上げておくのと並んでおすすめなのが技術ブログを書くことです。
必ずしも最新技術について書く必要はなく、
「コンフィグファイルから〇〇の項目一覧を抜き出すワンライナー」
みたいな小ネタでもOKです。
継続して発信していることが大事です。
IT業界のことを知っておく
技術はあるけど、自分がいる業界のことを知らないエンジニアって結構多いのではないでしょうか。
例えば誰でも知っている企業であるAmazonやYahoo!、楽天などの収益構造って意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
自分の応募しようとしている企業はもちろん、同業他社を含めた業界の調査も行っておくと良いです。
その上で上記の「自身の技術でどのように会社に貢献できるか」をしっかりと考えると良いと思います。
併せて、他の業種と同様に
- 企業研究
- 自己分析(強み、弱み)
- 目指す将来像
などをしっかりとしていけば良いのではないかと思います。
プログラマとSE(システムエンジニア)の違いって?
よく「プログラマとSE(システムエンジニア)ってどう違うの?」という質問をされることがあります。
TL;DR
- プログラマとは「SEが作った仕様書通りにプログラムを書く人」
- SEとは「顧客やユーザの要望をまとめて設計をする人」
工程による分類
IT業界、特にSIer(システム開発を主とする会社)では担当する工程によって
などのように分類されることが多いと思います。
例外はありますが、基本的にはテスターから順番にステップアップしていくことが多いです。
テスターについてはテスト専門のプロフェッショナルが担当することもありますが、ここではSIerでよくある光景としてのテスターについて説明します。
テスター
仕様書に書かれた項目通りにテストを行いバグのレポートを作成、報告
プログラマ
SEが作成した設計書をもとに、プログラミング、プログラム自体の動作テストを行う
SE
顧客やユーザの要望を聞き、仕様を決定する
利用技術の選定
仕様に基づいて設計を行う
完成したシステムが仕様通りに動作するかを確認する
PM
システムの開発計画、予算を策定する
開発スケジュールを作成し、進捗の管理を行う
社内外のステークホルダとの調整を行う
プロジェクト全体の責任者
利用技術の選定を行うこともある
つまり
- プログラマとは「SEが作った仕様書通りにプログラムを書く人」
- SEとは「顧客やユーザの要望をまとめて設計をする人」
ざっくり説明するとこのような感じとなります。
ちなみにWeb系では上記のような分け方ではなく、専門分野によって「xxエンジニア」という呼び方がされることが多いです。
Ep.2 SEって何だ?
SEになると決めたはいいものの、そもそもSEって何なんだ? ソフトウェアの設計する人?プログラマとは違うのか?
そんなことも知らなかった私は、どうやらSEになるにはまずプログラマを経験する必要があることを知った。 (必ずしもそんなことはないのだが)
※プログラマとSEの違いについては「プログラマとSE(システムエンジニア)の違いって?」を参照
そこでまずは未経験でもプログラマとして雇ってくれる会社を探すことに。
(へー、結構あるもんやなー)
ネットで求人を探してみるとこれが結構あるのだ。 未来は明るいように見えた。
「未経験OK!」 「若いメンバーが活躍中!」 「アットホームな会社です!」 「事業拡大につき新メンバー募集中!」
いくつも会社の中から、規模の小さそうな会社をいくつか選び、応募することにした。
Ep.1 就職しなきゃ
200X年10月。
無職だった私は就職先を探していた。
大学に7年在籍した後に中退、その後2年ほどフラフラと過ごしていたのだが、のっぴきならない事情で安定した収入が必要となったのだ。
手に職も無いので未経験で始められる仕事を中心に考え始めることとなった。
学生時代は肉体労働系のバイトをやっていたこともあり、体を動かすのは好きだったのでその方面の仕事に絞って仕事を探していた。
昔からトラックドライバーに憧れていたこともあり、未経験可のドライバー募集を調べていたある日。
何気なしに友人と電話をしていたときに友人から
「お前パソコンとか得意なんじゃないの?なんかそういう仕事ってあらへんの?」
なぜかいわゆるホワイトカラーの仕事は未経験では雇ってもらえないと思っていたのでその選択肢は全く考えていなかった。
(そういえば大学のパソコンの学科(情報系の学科)の友達がSEになりたいとか言ってたな)
(よし、ほな俺はSEになる!)
SEがどんな仕事かも知らないままにSEになることに決めたのだった。